イッセイです。モルックスだと簡単にブドウ糖のαとβをつくることができます。
いろいろなブドウ糖
ブドウ糖の骨組みをつくっている炭素原子は,4面体の炭素原子です。
そして,4面すべてに違う〈原子のかたまり〉がついています。
よって,ブドウ糖の骨組みをつくっている炭素原子は不斉炭素原子ばかりということになります。
ですから,骨組みの炭素につける水素などの上下は大事になります。間違えると,別な分子となるからです。化学者はそれぞれに名前をつけているぐらいです。
αとβのブドウ糖


ブドウ糖のアルファ(α)とベータ(β)をモルックスでつくってみました。
αは,干し柿の表面に白い粉としてでてくるブドウ糖です。
βは,植物のセルロースの材料になっているブドウ糖です。
何が違っているのでしょうか。
右肩の炭素原子には,〈酸素ー水素〉と〈水素〉がついています。
実は,「どちらが上の結合面についているか」だけの差です。
モルックスでつくるときは,とっても簡単です。
αは,ブドウ糖をつくるでつくっているものです。
βは,ブドウ糖をつくるの骨組みの(e)につけるときに,上下を逆につけてやればいいのです。
たったこれだけの差ですが,不斉炭素原子についているため,別の性質を持つ分子となってしまうのです。
ちなみに正式な言い方は,「α-D-glucose」と「β-D-glucose」です。
ブドウ糖の輪が切れることがある
自然界ではどうやってアルファとベータができているのでしょうか。
実は,ブドウ糖の輪が右肩の部分で切れることがあるのです。そのあとどのようにくっつくかで入れ替わることができます。

そんなブドウ糖のちょっとの形の差を,ちゃんと区別して生物は利用しているわけです。「生物は分子を組み上げて自身を作っている」って感じがしました。