授業書《原子とその分類》で,原子の標本作りをしています

それまでは淡々と進んでいた授業が,標本作りを始めたら,とたんににぎやかに楽しくなりました。とりくんでよかったー!

授業をしていたら「わかりません」と言われたのがきっかけです

15年ほどまえ,当時60歳を過ぎた女性の生徒さんから「わかりません」と言われました。

授業書《原子とその分類》をやっていたので,単に私が教科書を実施しているよりははるかにましだったはずです。それでも「知らない原子が出てきてわかりません」と言われたら,そりゃあもう,なんとかしないといけません。

それで,思い出したのは机に飾っている「原子の標本」です。

丸山秀一さん作の「原子の標本」

丸山秀一さんが立派な標本をつくっておられて,それを大会の時に購入していたのです。それで「標本作りをしたらいいやん!」と思って,開始することにしたのでした。

仮説社の『たのしい授業 2003年11月号』にも丸山秀一さんの「〈原子(単体)の標本〉と〈原子の分類標本〉」という記事が載っています)

原子の標本の作り方

まず,「原子の標本台紙」を画用紙に印刷します。

この台紙は,授業書《原子とその分類》と同じく,原子をあいうえお順に並べて表示することを第一にしたものです。よって,説明などは生徒が自分で書き入れることになります。

生徒には14cm×20cmの大きさのチャック袋を渡して,原子の標本を保存してもらっています。(台紙は,チャック袋に入るように印刷後に余白を裁断して使っています)

授業で,標本作りを開始しましょう

先に木工用ボンドを生徒に配布しておきます。

いよいよ,標本作りの開始です。

まずは普通の金属から配ります。その中での順番は特に気にせず目についたものから配り始めます。

「じゃあ,鉄を配るよ」と言いつつ,生徒に鉄釘を配って回ります。

「じゃあ,次は鉛ね。鉛はねえ,指でちぎれるんだよ。ちぎっては投げ,ちぎっては投げ,,じゃないけれど,ちぎれるんだよ!」と,板おもりをちぎって配ったりしています。

高校の場合は薬品庫があって,普通の金属はたいていそろっています。小粒で配りやすいものを用意しておいてます。

こうして配っていると,だいたい,生徒の顔はにっこにこになっています。

まあ,私がにっこにこしながら配ってるんですから。そして,宝物が増えていく感じは幸せな気持ちになるようです。

貴金属も配ります

普通の金属を終えたら,貴金属も配ります。

ただし,金属箔です(^ω^)

金と銀は,金沢に旅行に行った時の自分へのお土産で買ってきた箔を配っています。

プラチナ箔は,丸山秀一さんから購入したものをピンセットでちぎりながら配っています。

ちぎりかたによっては大きくなったりします。「ああ,大きくなった!」とか残念そうにいうと,生徒は喜んでくれます。

以前には「金を配ってくれたとばい!」と自慢げに他の先生に言ってくれていた子がいたほどです。

貴金属の箔を配るのは,やはり特別感が増していいです。

次の授業までに乾燥させるテク

乾燥中の「原子の標本」

チャック袋に息を吹き入れて閉じると,木工用ボンドが袋にもくっついたりせずによいです。生徒の標本を預かって保存している私が苦労するぐらいで(笑)

活性金属は配りません

ナトリウムなどの活性金属は,その激しさを生徒に見せると「あれは貼れないね」と納得してくれます。

金属ナトリウムを水に落とす

2019年5月22日

金属カルシウムを水に入れる

2019年5月20日

「どんなだったかを書いておいてね」と生徒さんに頼んでいます。

非金属も同じような配り方をします

非金属のうち,リンはマッチの擦り板をハサミで切って配っています。

硫黄は,全日制が硫黄の同素体の実験をした廃棄処分行きのものをもらって,配っています。

炭素は,木炭です。

ヨウ素は,ろ紙に乗せて見せています。毒なので貼れません。

すると,ろ紙がすぐにヨウ素に染まります。

白いろ紙が茶色に変色しています

「毒やけんね」といいつつ,生徒に変色したのをささーっと見せて回っています。

気体はそもそも貼れません。

完成した〈原子の標本〉

生徒による〈原子の標本〉の例です。

〈原子の標本〉づくりの効果

この標本作りをはじめたら,60歳の女性も「これならわかる」といってくださりました。そして,10代の若者たちにも好評です。

ほとんどの子がウキウキと参加してくれています。

なんだか妙にうれしい感じにざわつくのが,幸せを感じるところです。

おすすめです。