サラセニア・フラバの花のつくりを見てみました

サラセニア・フラバ(Sarracenia flava)の花が咲きました。緑色で艶やかです。そして,不思議な形をしています。

サラセニアの花が咲きました

サラセニアは,春になると,新葉が出る前に花芽が伸び,花が咲きます。

フラバの花は,青臭い匂いがします。私には「くさい」と感じられるほどです。

フラバの花は,いきなり花がでてくるようにみえます。茎はどこに行ったの?という感じですが,茎は地表を這うように少しずつ伸びています。

花は,一見したところ,雄しべも雌しべもみえません。

全てが同じ色に見えるので,がく,花びらなどがどうなっているのかも簡単ではありません。

花を切ってみました

花を切ってみると,雄しべがみえます。

こんなところにあったんだね!って感じです。

雌しべは,真ん中にあるのがみえます。根本が太くなっていて「ここにタネができるんだな」っていう子房があるからです。

その雌しべの先はというと,傘のように広がっています。

なんて不思議なんでしょう。

日本の花にこんなのはみたことがありません。さすがはアメリカ大陸産です。

花粉を受ける「柱頭」はどこにあるのでしょうか。この傘全体が柱頭なのでしょうか。

この疑問は,micro-boyという双眼実体顕微鏡のおかげで謎を解くことができました。

柱頭はどこに?

双眼実体顕微鏡で見てみようかな!と思った時,「雌しべの傘の先っぽがなんだか怪しいな」と思いました。

ひょこっと,何か飛び出しているからです。

「雌しべの傘の先っぽ」を赤丸で示しました
柱頭を拡大して観察しました

拡大してみると,「花粉を受け止めます!」ってかんじの〈つぶつぶ〉したものが見えました。ユリの柱頭で観察した感じと似ているので,「これが柱頭なんだな!」と思えました。

花を切った時,雄しべの周りは花粉だらけでした。

なんでかな?と思って,「きっとハチがあばれたんだ」と思いました。

花の匂いに誘われて「逆さにした傘」の形をした雌しべに,ハチは降り立つのでしょう。そして,傘の内側にそって進むとたしかにおいしそうな花粉があるのです。

夢中になって花粉を集めたハチは,さて外に出ようかなと思います。

しかし,密閉された部屋のように〈写真の水色で塗ったところ〉がなっています。「あれ?出口がないぞ」とうろたえたハチは,あばれまくって花粉を全身にまとうことでしょう。そして,出口に気づいて傘の内側を登ってくると,そこには雌しべの柱頭が待っているということになります。

他の花を訪れてあばれてきたハチは,サラセニアの受粉を手伝うことになるというわけでしょう。

サラセニアにハチ(または他の昆虫)が訪れているところをまだ見ていませんが,きっとこんなことが起きているのだろうと予想しています。

いつか現場を見てみたいものです。