イッセイです。O型の人の細胞からは「O型ですよ」という印=抗原が出ています。その抗原の部品であるβ-D-ガラクトースをつくりましょう。
目次
β-D-ガラクトースの構造
β-D-ガラクトースは,炭素原子が6つ,水素原子が12こ,酸素原子が6つでできている糖類の分子です。

β-D-ガラクトースのすべての原子を描いた構造式です。『ストライヤー生化学』に載っていたα-D-ガラクトースの構造式を元に描きました。
細長い三角形は,炭素よりも上の方にでていることを示しています。
点々でしめした線は,炭素よりも下の方に出ていることを示しています。
上でも下でもどうでもよさそうにみえますが,生物はこれを厳密に識別していますから注意が必要です。
また,C1についているHとOHの位置によって,αとβがあります。β-ガラクトースの場合は,上がOHで下がHです。これも,どちらでもよさそうですが,こんなことさえ生物は厳密に区別しています。

O型の抗原の部品とするには,3カ所の原子を取り外しができるようにしましょう。
β-D-ガラクトースをつくる準備をしましょう
炭素原子は35mm球を黒く塗ります。
酸素原子は30mm球を赤く塗ります。
水素原子は25mm球を半分に切ります。
炭素原子は次のように切ります。
炭素原子の切り方(C1) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 24mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C2) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C3) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C4) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C5) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C6) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 24mm | 24mm | 24mm |
OHになる酸素原子は,接するように24mmで2回切ります。
酸素原子の切り方(-OH) | 第1面 | 第2面 |
孔定規 | 24mm | 24mm |
β-D-ガラクトースを組み立てましょう
C5-O-C1の原子を組み合わせて,酸素が上に出るようにしつつ,C5-C1で同一の平面をつくります。
同様にして,C2-C3-C4の原子を組み合わせて,C3が下に出るようにしつつ,C2-C4で同一の平面を作ります。
こうしてつくった3つ組同士をくっつけると,β-D-ガラクトースの骨格の出来上がりです。

ただし,一つトラップがあります。C5の原子には,24mmの断面と28mmの断面があります。そのどちらを上にするかで,糖の名称すら変わってしまいます。ガラクトースの場合は,上に28mmがくるようにしてください。

こうして炭素と酸素でできたβ-ガラクトースの骨格ができあがりました。
つぎは,構造式をみながら,HかOHかをつけていくとよいです。

上 | 下 | |
C1 | OH | H |
C2 | H | OH |
C3 | OH | H |
C4 | OH | H |
C5 | C6 | H |
C6には,水素を2つ,OHを1つくっつけます。
β-D-ガラクトースのできあがり

C1のOH,C2のOHのH,C3のOHのHを取り外せるようにしましょう。

C1に画鋲をつけ,OHにネオジム磁石をつけて,取り外せるようにしました。
C2とC3のOHの場合は,Oにネオジム磁石をつけ,Hに画鋲をつけて取り外せるようにしました。