イッセイです。なるべく正確に体積を測定して混合気体を作らないと実験結果がブレてしまいます。注射器を使うと解決です!
目次
注射器を使うワケ
授業書《爆発の条件》では,注射器(プラスチックシリンジ)に気体をいれて気体の体積を計量することをオススメしています。
(注射器は,筒の部分:シリンダーと,棒の部分:ピストンからできています)
注射器の口
注射器は,一つしか口がありません。
注射器内に液体や気体を入れたいとなったら,口から吸うしかありません。入れた液体や気体はピストンを押さないと出てきません。
それは,一つしか口がないからです。
外に出て来るためには,二つめの口が必要です。その口は,空気の入り口となります。空気が入って来ると,空気の粒がぶつかってきてくれるために他方から外に出て来るようになるのです。
醤油瓶だってなんだって,必ず二つの口があります。片方を閉じると他方からは出てこれなくなるのです。
そこで,注射器に気体を入れたら,「注射器の内部の気体が逃げさすのではないか」とか思わずに,安心して作業をすることができます。
注射器には目盛りがあります
注射器には体積を示す目盛りがついています。
混合気体を作るためには十分な精度の目盛りです。
目盛りがついているからこそ,生徒に「ほら,10ml入れましたよ」と見せることができます。
便利です (^ω^)
正確な測定が大事です
10mlいれたつもりで20ml入れてしまうと,予定しないところでとんでもない爆発となってしまう危険があります。不正確な測定による安易な実験をしてしまうと,事故となる可能性がありますから,十分に注意してください。
混合気体を作る時の注射器の使い方
ブタンと酸素のスプレー缶を使う場合で注射器の使い方を説明します。

ブタンは,カセットコンロのガスを使います。
酸素は,実験用気体として売ってあるスプレー缶を使います。
酸素缶にはスプレーの頭がついています。この頭を注射器に無理やり差し込みます。

ブタンを注射器に入れていきます。
圧が気になるかも
この時,圧力が気になるかもしれません。「気圧が高い状態でたくさんのブタンを入れているかもしれない」と思われた方,心配は無用です。なぜなら,スプレーの頭を注射器から外してもピストンは動きません。口から余分な気体はあっという間に抜けていってしまっています。
注射器内部は周囲と同じ気圧になっているわけです。
このとき,「プラスチックシリンジのピストンは簡単には動かない」ということは利点となっています。ガラス製の高級な注射器だと,すすーっとピストンが軽い力で動きます。すると,測定した体積のところでピストンが止まってくれませんから,とっても面倒です。「簡単には動かない」というのは長所です (^ω^)

私はちょっと多めにブタンを入れておいて,注射器の目盛りを見ながらピストンを押していって,10に合わせています。

水に逆立ちさせたペットボトルにブタンを入れます。

酸素を同様にして注射器に入れ,問題に出ている量の酸素を注射器の目盛りをみつつ極力正確に測定して,ペットボトルに入れます。
ペットボトルには水が残っていますから,ペットボトルを数回振れば混合気体の完成です。