イッセイです。O型の人の細胞からは「O型ですよ」という印=抗原が出ています。その抗原の部品であるN-アセチル-β-D-グルコサミンをつくりましょう。
目次
N-アセチル-β-D-グルコサミンの構造
N-アセチル-β-D-グルコサミンは,炭素原子が8つ,水素原子が15こ,窒素が1こ,酸素原子が6こでできている糖類の分子です。

N-アセチル-β-D-グルコサミンのすべての原子を描いた構造式です。『ストライヤー生化学 (第8版)』に載っていたN-アセチル-β-D-グルコサミンの構造式を元に描きました。
細長い三角形は,炭素よりも上の方にでていることを示しています。
点々でしめした線は,炭素よりも下の方に出ていることを示しています。
上でも下でもどうでもよさそうにみえますが,生物はこれを厳密に識別していますから注意が必要です。

O型の抗原の部品とするには,2カ所の原子を取り外しができるようにしましょう。
N-アセチル-β-D-グルコサミンをつくる準備をしましょう
炭素原子は35mm球を黒く塗ります。
酸素原子は30mm球を赤く塗ります。
窒素原子は30mm球を青く塗ります。
水素原子は25mm球を半分に切ります。
炭素原子の切り方
炭素原子の切り方(C1) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 24mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C2) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C3) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C4) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C5) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C6) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 24mm | 24mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C7) | 第1面 | 第2面 | 第3面 |
角度定規 | 120度 | 120度 | 120度 |
孔定規 | 28mm | 28mm | 24mm |
炭素原子の切り方(C8) | 第1面 | 第2面 | 第3面 | 第4面 |
角度定規 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 | 109.5度 |
孔定規 | 28mm | 24mm | 24mm | 24mm |
窒素原子の切り方
窒素原子の切り方(N) | 第1面 | 第2面 | 第3面 |
角度定規 | 120度 | 120度 | 120度 |
孔定規 | 24mm | 24mm | 24mm |
酸素原子の切り方
六員環のOと,OHになる酸素原子5こは,接するように24mmで2回切ります。
酸素原子の切り方(-O-) | 第1面 | 第2面 |
孔定規 | 24mm | 24mm |
C7に二重結合でつくOは,28mmで1回切ります。
酸素原子の切り方(=O) | 第1面 |
孔定規 | 28mm |
N-アセチル-β-D-グルコサミンを組み立てましょう
C5-O-C1の原子を組み合わせて,酸素が上に出るようにしつつ,C5-C1で同一の平面をつくります。
同様にして,C2-C3-C4の原子を組み合わせて,C3が下に出るようにしつつ,C2-C4で同一の平面を作ります。
こうしてつくった3つ組同士をくっつけると,N-アセチル-β-D-グルコサミンの骨格の出来上がりです。

ただし,一つトラップがあります。C5の原子には,24mmの断面と28mmの断面があります。そのどちらを上にするかで,糖の名称すら変わってしまいます。N-アセチル-β-D-グルコサミンの場合は,上に28mmがくるようにしてください。

こうして炭素と酸素でできたN-アセチル-β-D-グルコサミンの骨格ができあがりました。
つぎは,構造式をみながら,HかOHかをつけていくとよいです。

上 | 下 | |
C1 | OH | H |
C2 | H | N–C7–C8 |
C3 | OH | H |
C4 | H | OH |
C5 | C6 | H |
C6には,水素を2つ,OHを1つくっつけます。
ペプチド結合の組み立て
C2の下側につくところには,ペプチド結合があります。ペプチド結合は,タンパク質を作るアミノ酸が互いに結合するときにできる特徴的な形です。
ペプチド結合をつくる4つの原子(H,N,C,O)は平面に並んでいます。そして,HとOは反対側を向きます。よって,分子模型を作るときには,ペプチド結合の形に注意してください。
N-アセチル-β-D-グルコサミンのできあがり


C1のOH,C3のOHのHを取り外せるようにしましょう。

C1に画鋲をつけ,OHにネオジム磁石をつけて,取り外せるようにしました。
C3のOHの場合は,Oにネオジム磁石をつけ,Hに画鋲をつけて取り外せるようにしました。